岸本さんは、「わたしの宝物」というコーナーで「食の記憶」について語っておられるのですが、私が岸本さんに出会ったのは、「がんから始まる」(文春文庫)という闘病記でした。
この本は、私にとっては大きな感銘を受けた一冊ですが、政治的な色合いは特にありませんでした。だから驚いたのです。
岸本さんはこの書で、がんの再発や転移など死の恐怖がしのびよる中でも、 “「生きるとは、日々の営みと見つけたり」と言っては、大げさだが、私にとっての日常は、筋金入りとなったのだ”など、自らが達した境地を率直に語っています。
私も同じ病気を体験し、普通に、当たり前のくらしを送ることのできるありがたさ、日々生かされていることへの感謝と周囲への尊重の気持ちを持てるようになりました。
岸本さんの“「生きるとは…”は、まさに私の境地でもあり、いつも心にとめておきたい一文として、大切なノートにメモしてあるのです。
岸本さんを身近に感じてうれしい一日でした。
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